2015年4月アーカイブ

スペインの民間企業

高い利益をあげ経営状態も良好な企業は、ほとんどが民間企業です。

その多くは、小規模の同族会社や外資系企業で占められています。

外国からの投資は、資金や技術をもたらすだけではありません。

専門的技術が著しく不足しているこの国にとっては、経営のノウハウを供給する存在として、重要な役割を果しているのです。

ほとんどのスペイン人はこのことをよくわかっており、外国人を受け入れやすく、オープンです。

けれどももし恩をきせたりすると、歓迎してくれる雰囲気は即、消えてしまいます。

彼らが求めているのは、対等なパートナーシップであり、従属関係ではないからです。

長期のビジネスパートナーシップを求めるなら、会社レベルより個人レベルの関係のほうがうまくいきます。

ジョイントベンチャーの中でも、長期にわたって成功を収めたケースはまれです。

新しく設立されたにせよ、買収されたにせよ、100%所有の子会社のほうが、成功するチャンスは高いでしょう。

後から出てきますが、権力やリーダーシップに対する態度がよその国と異なるために、管理方法をめぐって意見の相違が起きやすいからです。

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国家の介入

政府の経済活動は、企業の株式を所有することや、あるいは国営企業であるINI(産業公社ーインスティテユト・ナシオナル・デ・インドゥストリア)を通じることで行われており、非常に活発です。

INIは、伝統的に経済基盤を支える三つの柱である鉄鋼業、造船業および織物業界に加えて、イベリア航空をはじめとする多くの分野における支配権を握っています。

ただし、それらの会社の多くは、財政援助なしでは運営できない状態にあります。

スペインでビジネスといえば、銀行で働くことを意味します。

最近になって、証券取引所が改革され、再編成されるまでは、民間企業に長期、短期の融資ができる唯一の資金源が銀行でした。

おそらく将来も、銀行は、資金の供給者として圧倒的な地位を保っていくでしょう。

多くの銀行は系列に属し、さまざまな企業の株主となっていますが「主力銀行(ハウスバンク)」という概念は存在しません。

銀行には貸出制限があります。

そこで、突然の貸出停止を防ぎ機密を保持するために、企業は通常できるだけ多くの銀行と取引を行います。

自社の財政状態についても、銀行に公表する情報をできるだけ少なくします。

その結果、銀行融資にはたいてい担保が必要です。

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スペインでは、政府に対する人々の態度を説明するのに、特に税金については「政府が権力を掌握していた時代かち引きずっているなごりのようなもの」といわれています。

イタリアやギリシャでも同じですが、スペインの場合、特にカタロニア人やバスク人にとっては、よそ者であるマドリッドが権力をもっていたのですから、なおさらです。

このような意見は、自ら選挙によって政府を選ぶ民主主義社会では、あまり聞かれることはありません。

その理由は、何がコミュニティを構成するかという考え方に、深くかかわっています。

スペインや他の地中海国家では、コミュニティの基礎は、個人と家族の絆です。

えこひいきや違法行為は、お互いの義務を果すための行動です。

家族の結びつきがそれほど強くない北ヨーロッパの国々では、コミュニティの基礎となる考え方は、共通の利益を考慮した、より抽象的なものです。

この違いについては、地理的条件や風土、歴史によってたまたまそうなったのか、または他に理由があるのか、いろいろと議論の余地があるでしょう。

いずれにしても、統治者と被統治者の平等な関係に慣れている外国人は、権力者に対する態度がスペインでは異なっているのだということをよく知っておくべきでしょう。

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政府に対する態度

1976年に行われたはじめての国民投票から数えて、スペイン人は何と40回以上も投票所に足を運んでいます。

はじめのころの興奮は今ではおさまりはじめています。

混乱は落ち着き、フェリペ・ゴンザレスの率いる中道左派の穏健派、スペイン社会主義労働党(PSOE)が、驚くべき長期安定政権を保っています。

民主化の初期のころに懸念されていた極右派ならびに極左派勢力は、今では影をひそめています。

数多くの選挙が行われ、民意を代表してくれる新しい種類の議員たちが選ばれたわけですが、だからといって、多くのスペイン人にとって政府の誠意や能力、あるいは信用といったものの評価は高まったわけではありません。

つまり、昔と同じようにスペイン人は、今でも、官僚主義に対して根深い不信感をもっているのです。

地方政府は、有権者が行政についての理解や関心をもつよう働きかけています。

ところが、増税を行って、不信感の源である官僚主義そのものに対する資金的裏付けとなるものを増やしたわけですから、人々の信頼は得られないわけです。

そして国と地方に二極化した政府の構造は、資金の奪いあいといった様相を呈してきています。

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スペイン人のイメージ

ガリシアはヨーロッパのビジネスマンにはさほど知られていませんが、これからもおそらく同じでしょう。

大西洋の気候のもと、緑豊かで湿気が多く、風が強い地域であり、経済の遅れや他国への移民が多い点で、アイルランドに似ています。

カタロニアは3つの地域の中でも、最も繁栄しています。

その経済的繁栄に魅せられてスペインのあちこちから多くの移住者がやって来るのですが、それにもかかわらずなんとかその個性を保っています。

バルセロナは、ほかの地方とくらべると、もっと国際的で前向きであり、勤勉であると自負しています。

南スペインは、これら北部の地域とは非常に対照的です。

アンダルシアはフラメンコとムーア式アーチで有名な地方であり、真面目で堅実な北部の同胞にくらべると、もっと生活の質を大切にしています。

お隣のムルシア地方での評判は、「あいつらは、家にいるときは怠けていて外に出れば安い賃金で働く」と厳しく、イタリアの南部でもやはり同じようにいわれています。

ドン・キホーテで有名なカスティリヤ、ラマンチャ、貧しい地域であるエストラマドラ一帯は、北部と南部の間の高地にある、広大で乾燥した中央平原です。

マドリッドは中央に位置し、まわりの地域からみると、まるでそこだけ繁栄する離れ小島のようです。

スペイン人のイメージとして知られている、優秀で控えめなイダルゴ(下級貴族)像にはカスティリヤ人のふるまいが強い影響を与えているのでしょう。

一般的には、スペイン人はリラックスして飾りけないスタイルをもっています。

郷土愛が強いにもかかわらず、経済的理由のために、別の地方へ引っ越したり、別の地方から移ってくる人の割合は高くなっています。

それでも、社員を転勤させる必要のある企業は、地元意識によく注意を払っています。

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スペインの地域的特質

今になって振り返ってみると、このような新しいスペインは、フランコの時代にも、表にはみえないサブカルチャーとして、いつもそこにあったのです。

過去15年間の政治的分断の原因は、旧スペイン時代にさかのぼります。

カスティリヤ地方の言語であるスペイン語に加えて別の言葉も話す人と、スペイン語を全く話さない人を合せると、人口の四分の一にもなります。

主な言語としては、バスク語、ガレゴ語(ガリシア地方の言葉でポルトガル語に似ているカタロニア語です。

これらの言葉はその地方独自のもので、地元では広く話されています。

スペイン内戦は、社会主義をめぐっての戦いであると同時に分離主義についての戦いでもありました。

自治権を切望するカタロニア人、ガリシア人、そしてとりわけバスク人は、やもたてもたまらず地下組織活動へと駆り立てられていきました。

地方自治権を基盤とした体制をつくりあげた1978年憲法ができてまもなく、地下活動は再び表面化しました。

自治政府を獲得したのは、先ほどの3つの「歴史的民族」(ナシオナリダデス・イストリカス)だけではありません。

他にも14の地域が、それぞれ強い熱意をもって、自治権を要求したり、あるいは力ずくで獲得したりしたのです。

現在は17の地方が存在し、独自の首都、旗、立法府をもっています。

責任、権力、そしてスペイン人にとって最も重要である税金の徴収についての権限のもち方は、各地方によってさまざまです。

バスク人は独自に税金を集め、警察があり、テレビチャンネルをもち、学校を運営しています。

他は、マドリッドから独立しているといっても、実質的には名ばかりのものです。

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新しいスペインのビジネス

これまでの古いスペインは、カトリックの国であり、マドリッドの支配を受けてきました。

この国はこれまでヨーロッパに背を向け、アフリカや新世界にあるかつての植民地にばかり目を向けており、教会や国家、銀行家や官僚、そして名ばかりの旧家に牛耳られてきました。

しかし過去十年ほどの間に、その古いスペインというものは脇に押しやられてしまいました。

もちろん、消滅したわけではありませんが、変化についていけない時代遅れの古い世代の人々の中に、かろうじて生きながらえているだけです。

これまでは家や教会、国家が伝統的に権威をもっていましたが、その制度が崩壊し、多元的文化に基づく民主主義への転換が行われています。

そしてECへの加盟や経済の規制緩和、安い労働力を求めてやってくる外国資本の波、そしてヨーロッパで五番目に大きな市場、といった要素が登場してきています。

このような状況の中、スペインの若者たちは堰を切ったような勢いで、ヨーロッパの一員としてのスペインを再建しようと燃えています。

よくなったと思うか悪くなったと思うかは別として、その変化には目をみはるものがあります。

かつては落ちぶれた名門こそが中流階級の証でありましたが、今では少々様子が変わっています。

お金もうけがファッショナブルになってきたのです。

ビジネスは非常に面白くなってきています。

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